株式会社坂本設計技術開発研究所は、自動車用プレス金型設計をベースに、家電や文具,雑貨などのプレス金型設計を行っています。
ご家庭にあるケーキ・クッキー・寒天・ホットサンドメーカーなどの金型や、街で見かける たい焼き・人形焼きなどの金型。
それらの金型とは一味違い、裏方でありながらも、ものすんごい生産力でモノを作りだす工業会の金型。
工業会での金型とは? そして、自動車部品をつくる金型は? 自動車をつくる工程の中での金型のポジョションは?
一般の人には殆んど知られていない、日本が誇る金型を自動車の生産を例にご紹介します。
金型って何?
私たちの暮らしを豊かにしてくれる工業製品。大昔には無かった文房具、家電製品、自動車や電車や船や飛行機など、様々な工業製品が世の中にあります。時代の変化と共に新しく生まれる「今までなかった製品」や、衰退し無くなる製品、必要とされ進化し続ける製品など数え切れません。
そのような工業製品を大量生産するのに欠かせないのが、金型です。金型とは、素材の塑性*¹や流動*²の性質を利用した成形加工により製品パーツを作り出す型です。主として金属素材を用いて造った型を 金型 と言います。〔*¹塑性:物体に力を加えると変形し、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残るような現象。 *² 流動:固定しないで流れ動く性質。不定形に変化する性質。〕
金型は被加工素材(金型で成形加工する素材)や目的に応じて種類が異なります。
金型の種類 | 分類 | 被加工材 | 製品例 |
プレス用金型(板金) | 絞り型、抜き型、曲げ型、圧縮型等 | 鋼板、非鉄金属 等 | 自動車、家電、雑貨など多岐にわたる部品の製造 |
プラスチック用金型 | 射出成形、圧縮成形、移送成形、 吹込成形、真空成形等 | プラスチック材料 | 自動車、家電、雑貨など多岐に渡る |
鍛造用金型 | 熱間鍛造、冷間鍛造等 | 棒網材、非鉄金属等 | 自動車の重要部品・オートバイ部品・ジェット機のファン・ 建設機械の部品等、強度を求められる製品 |
鋳造用金型 | シェルフモールド、ロストワックス、 重力鋳造、圧力鋳造等 | アルミ合金等 | 工業用部品、建設機械部品、農業機械部品等 |
ダイカスト用金型 | 鋳造型の一種 | アルミ合金、亜鉛合金等 | 精密機械部品・自動車のエンジン周辺パーツ・カメラのボディー 等 |
ガラス用金型 | 押型と吹型がある | ガラス材料 | ガラスのボトルや瓶 、照明器具部品、食器類等 |
ゴム用金型 | 直圧成形、直圧注入成形、射出成形 | 合成ゴム、天然ゴム | タイヤ、 靴 、工業用部品等 |
粉末冶金用金型 | 金属の粉末を型にいれて焼き固める | 金属の粉末 | 歯車、含油軸、切削工具等 |
自動車部品は様々な金型で作られている
部品を作り出す金型 | 自動車部品例 |
プレス用金型(板金) | ボディ、シャーシ、サスペンションなど |
プラスチック用金型 | バンパー、燃料タンク、内外装品、電装品関連部品 など |
鍛造用金型 | エンジン部品、ブレーキ部品、ミッション部品、足回り部品 など |
鋳造用金型 | エンジンの吸排気弁の開閉や開度を制御しているカムシャフトやクランクシャフトなど |
ダイカスト用金型 | エンジン、トランスミッション など |
ガラス用金型 | 窓ガラス、ヘッドライト など |
ゴム用金型 | タイヤやワイパー、防振・制遮音品・内装品・ホース・シール など |
粉末冶金用金型 | オイルポンプ、プーリー、クラッチ用部品、ミッション部品など |
株式会社坂本設計技術開発研究所は、上記種類の金型うちの「プレス用金型」の設計を行います。
車ができるまで
自動車メーカー | サプライヤーメーカー | 金型メーカー | |
1⃣開発 | (1)クルマのデザインコンセプトの企画 (2)クルマのデザイン作成 (3)クルマのパーツ設計 (4)試作車を製作して精度確認 シミュレーションと実験で性能評価 | ||
2⃣生産計画 | (1)生産性の検討 (2)組立工程計画、設備検討と調達 (3)設備トライ、品質確認、量産化確認 | ||
金型製作 | 金型製作 | ||
3⃣生産 | (1)プレスによる部品生産 関連部品の組み立て (2)プレスした部品(納入された)を溶接し、自動車のボデーを造形 (3)塗装 (4)内装品や計器類、電気配線、エンジン・タイヤ等 数千点にもおよぶ部品を取付け (5)ブレーキ、ライト、排出ガス等さまざまな厳密な検査 | プレスによる部品生産 関連部品の組み立て | |
4⃣出荷 | |||
店頭販売 |
1台のクルマは、小さなネジまで数えると約3万個の構成部品からできています。大きく分類すると、ボディ、シャーシ、エンジン、ドライブトレインと分けることができます。また、内装のシート、ハンドル、ガラス、メーター、ヘッドランプ、タイヤなど様々な部品があります。
それらの部品を生産するための道具が金型です。工業製品の品質を大きく左右し、大量生産に耐える強度を要求される金型ですが、製品ごとに専用設計されるため「少量多品種」が多く、その製造の多くは国内の中小製造業や金型メーカーが担っています。
もしかしたら、家の近くの工場で金型が製作されているかも? もしかしたら、その工場で製作された金型で作られた製品(文房具・家電・車など)を使って生活しているかも?
また、手に取ったモノが手作りのモノなのか? 金型で作られたモノなのか? 時々、気になりますし、その製品の出来栄え(精度)が良く、提供価格を見て関心することもあります。
世の中にある製品(クルマ・家電・雑貨・玩具・カーブミラーなどの公共物 など)は、人々の役に立つために操作性や安全性など良く考えられています。その製品をつくるための金型も人が使い、金型を製作するのも人のため、金型にも操作性や安全性などが考慮されており、知恵と工夫が凝らされています。
株式会社坂本設計技術開発研究所では、プレス金型設計の様々なご依頼に対応いたします。
また、自動車用プレス金型設計以外の色々な設計も承っております。お気軽にご相談ください。
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【担当:松本(マツモト)】